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尾崎豊『ダンスホール』の歌詞の背景にある事件やストーリーとは

尾崎豊『ダンスホール』の歌詞の背景にある事件やストーリーとは

 

尾崎豊。

その歌唱力や表現力で10代のカリスマとして絶大な人気を誇っていた歌手です。

26歳という若さでこの世を去ってからもその人気は根強く、今でも数多くの楽曲が歌い継がれています。

 

今回はそんな尾崎豊の『ダンスホール』という曲について調べてみました。

実際にあった事件がモデル?どんな事件?

 

この曲は都内のダンスホールから中学生2人が連れ去られて強姦された挙句、殺されるという実際にあった惨い事件(赤いスポーツカー事件とも)を元に作られたと言われています。

 

1982年6月7日白昼、千葉市横戸町の花見川沿いのサイクリングロードで、 東京都港区立高松中学3年Aの殺害死体と、顔面を血だらけにして うずくまっている茨城県古河市立中学3年Bが発見された。

二人は、前日の夜から東京・新宿のディスコ「1+1」など 数軒のディスコをハシゴしながら夜通し踊り明かしていたが、 途中のディスコで知り合った“男”から「一緒にドライブに行こう」と誘われ 3人でクルマに乗り込んだ。

そして都内のゲームセンターなどで遊んだあと 千葉県方面にクルマを走らせ、停車した車中で仮眠を取った。

それが犯行現場ということになるが、Bが男から起こされ「散歩しよう」と 声を掛けられたときには、既にAの姿はなかった。Bは不審に思いながら男と散歩したが、 いきなり男に顔面を殴られ、気がついたときには横に首を切られたAの死体が転がっていた。

男はそのまま血まみれの少女たちを残して消えていたのである。

いまもって、その正体はわかっていない。

http://netpower1.blog14.fc2.com/blog-entry-337.htmlより

 

なんとも恐ろしい事件ですね。

それにしても、中学3年生でディスコ…。

今ではとても考えられません。

 

歌詞からみるメッセージは【動画】

安いダンスホールは

たくさんの人だかり

陽気な色と音楽と煙草の煙に巻かれてた

ギュウギュウ詰めのダンスホール

洒落たちいさなステップ

はしゃいで踊り続けてる

お前を見つけた

 

仔猫のようなやつで

生意気なやつ

小粋なドラ猫ってとこだよ

おまえはずっと踊ったね

 

ディスコで犯人に目をつけられたのであろう少女たち。

大人の夜の世界で、まだあどけなさの残る彼女たちは新鮮で男性たちの気を惹いたことでしょう。

今でしたら未成年が公共の場で飲酒したり喫煙したり、深夜にディスコのような場所に入りびたるなど考えられませんが、80年代の当時はこういう時代でもありました。

当時の若者のフラストレーションを発散する場所だったのでしょう。

 

気取って水割り飲み干して

慣れた手つきで火をつける

気の効いた流行文句だけに

お前は小さく頷いた

 

次の水割り手にして

訳もないのに乾杯

「こんなものよ」と

微笑んだのは

確かに作り笑いさ

 

少女たちの姿を痛々しさを描写した様子が胸を打ちますね。

尾崎豊には無理をしている彼女たちの姿が見えているようです。

 

あくせくする毎日につかれたんだね

 

俺の胸でねむるがいい 今夜はもうおどらず

 

ゆうべのくどき文句も忘れちまって 今夜もさがしに行くのかい

 

今宵眠れるやさしい胸を

 

そうさおまえは 孤独なダンサー

 

優しく声をかけられ、他人と話すことで、一時でも彼女の気持ちは安らいでいたのでしょう。

そして毎夜繰り出す街に溺れていく様を歌っているようです。

素直にさみしさを口に出せずにいる少女はその感情を一時の快楽や娯楽でごまかし、また周りもそれに目を向けることもなくやり過ごしていくのです。

尾崎豊オーディションの曲

26歳の若さで夭折してしまった若き天才、尾崎豊


この「ダンスホール」によって尾崎豊のミュージシャンとしての道は開かれましたが、奇しくも生前最後にライヴで歌われた曲もこの曲でした。

彼女の周りの無関心、そして社会。信号を出していた彼女に気づかなかった者たち。

それらすべてが現在でも同じ問題として、いまだに社会に存在しています。

時を経て、改めて今この曲を考え直してみる時かもしれません。

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